分不相応の大躍進
欧州大戦後の国際情勢
欧州大戦後の1931年12月から再開です。
欧州大戦に勝利したことにより、オーハンは地中海に多数の根拠地を獲得し、アフリカ大陸をつたってインド洋でも勢力を広げました。更に、インド洋の果てビルマにも手を伸ばした結果、世界の覇権国としてその名が轟きました。
終戦後の艦隊規模では世界第3位、経済規模もフランスを抜き第4位になっています。軍事力・経済力共に成長し、まごうことなき列強の一員となったのです。
護衛艦の増強
先の大戦ではオーハン海軍の主力艦が華々しい戦果を挙げ注目されましたが、海上輸送の面でも取り上げられることのない活躍がありました。護衛隊の奮戦です。1度も海戦に参加したことのない旧式戦艦ステファニー級戦艦を基幹とする護衛艦隊は縦横無尽に駆け回り、走行距離では主力艦を圧倒的に引き離していました。
その活躍もあって艦隊の損失が大きく、また老朽化も甚だしかったため、大戦中に掃海艇と駆潜艇が起工されました。
艦名 | König Albert級掃海艇 |
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排水量 | 1100トン |
速力 | 20ノット |
建造数 | 6隻 |
艦名 | Dalmatia級駆潜艇 |
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排水9 | 900トン |
速力 | 20ノット |
建造数 | 6隻 |
また、Mähren級航空母艦が旧式化したので廃艦。戦訓として航空機による潜水艦の撃沈が効果的だという知見が得られましたので、船団護衛用空母として代艦を建造します。
艦名 | Ferdinando I級特設航空母艦 |
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排水量 | 15500トン |
武装 | 5インチ両用砲4基8門、艦載機34機 |
速力 | 25ノット |
建造数 | 2隻 |
これで後顧の憂いなく戦うことができます。
分不相応な新領土の防衛
これまで、オーハン海軍は勢力を拡大することだけを考えていましたが、領土が増えた今、広範な領土を防衛をすることも求められています。
役割は増えましたが、ジャイアントキリングがお家芸として認知されたせいで予算が増えていません。海軍が倹約をしながら勝利してきた結果、次も少ない予算で勝ってくれるだろうという甘い見込みがオーハン国内で広がっているのです。
経済の成長を考えれば軍への投資は少ない方が良いのですが、それは戦争が無ければの話です。次の戦争は必ずあります。というかやります。
政府とカイザーにはそのことをご理解いただきたいのですが、終戦直後では受け入れてもらえませんでしたので限りある予算で軍備を整えます。勿論、艦艇は可能な限りモスボール、配備する航空機は0です。
艦名 | Principe Metternich級コルベット |
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排水量 | 2200トン |
速力 | 22ノット |
建造数 | 4隻 |
いきなり主力艦から設計したいですが、植民地用コルベットの艦齢が40年を超えていますので、新型艦を建造します。
補助艦艇の整備が済んだ1933年8月、オーハン海軍は次期戦争には制空権の確保が強く求められるという考えのもと、3万トン級の大型空母を建造することにしました。
艦名 | Prag級航空母艦 |
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排水量 | 30400トン |
武装 | 5インチ両用砲8基16門、艦載機80機 |
速力 | 30ノット |
建造数 | 3隻 |
この排水量であれば、航空機が大型化しても十分な数の艦載機を搭載することができます。
また1933年の各国海軍一覧を見ると、イギリスが空母8隻を保有しており、フランスも軽空母4隻を保有しています。イギリスは先の大戦で負けましたが、まだ地中海に根拠地を有しており戦争となる可能性は十分あります。
航空戦とは数の勝負です。倍の相手に勝てる確率は水上艦同士の殴り合いよりも随分と下がります。新しい空母が必要であることは明らかです。
それにどの国も戦艦の建造を熱心に行っていません。戦艦は作るのにも維持するにも動かすにも金がかかります。昔に比べ装備の金額が高くなっている現在においては、戦艦はコスパが悪いです。
そもそも、オーハンは超ド級戦艦を7隻も保有しており、世界第2位の規模を誇ります。これ以上の戦艦は不要です。よって、空母を建造します。
イタリア戦は突然に
1935年8月、ファッショイタリアが突如ギリシャを占領。イエニア海の両翼を押さえました。イタリア君どうした?
1935年11月、フランスがオーハンの技術をパクったので抗議したところ、何故かイタリアとの関係が悪化し危険域に。と思ったらすぐ下がったので、自分のことを非難されたと勘違いしたようです。イタリア君?
1936年3月、今度こそイタリアが技術をパクったので抗議。きっと先日のあれはデモンストレーションだったんですね。あっという間にイタリアとの関係が再び危険域に。
でもまさか開戦しないだろうと思っていた1936年3月。
第3次墺伊戦争開戦。
は?
オーハンにとっては4年ぶりの戦争です。控えめに言って早すぎですね。この期間じゃ補充計画1つしか組めませんよ。
まあ、それはイタリアには関係のないことですが、イタリアは正気なんですかね。
開戦時のイタリア海軍は明らかに寡兵です。戦艦の数は半分、空母戦力については軽空母2隻しかいません。その代わり重巡を8隻保有しているので、巡洋艦戦に全てをかけているのでしょうか。
あとは短期決戦ですかね。そうだとすれば、向こうの思惑は完全に成功しています。現にオーハン海軍の艦艇及び航空機は埃をかぶっていて配備完了には時間がかかります。訓練もしていませんし開戦まで完全な平時体制でした。配備に時間がかかっている間にオーハンを降伏させるだけの勝利を得られればイタリアの勝ちです。
まあ、降伏しないんですけどね。