ドゥーチェの無謀な戦争
第3次墺伊戦争が勃発した1936年4月から再開です。
突然の戦争となり動揺していますが、戦争を予期できなかったのは、オーハン海軍の中に攻められても対応できるという軍事的優勢からの慢心が広がっていたからです。それは余裕とも捉えることができますが、この悪い意味での余裕が、今後の戦争で悪魔の如くオーハン海軍に付き纏うことを、この時はまだ誰も知りませんでした。
話を戻して、戦争をするには目標が必要です。
今回の目標はイタリアが先日占領したギリシャの領有です。現在、アドリア海の出口に位置するイオニア海は両岸をイタリアに抑えられ、オーハン本国とオーハン地中海根拠地との連絡が困難となっています。
幸いイタリア海軍の勢力はオーハン海軍に及ばず、強行突破することは十分に可能ですが、戦力をイオニア海に集中させることは非常に危険な情勢となっています。
イタリアの潜水艦部隊です。
イタリアは実に73隻もの潜水艦を保有しており、地中海外や地中海内の通商破壊のみならずイオニア海に集中配備し通行する主力艦を雷撃することも可能です。
それを可能にしているのは、イタリア海軍の根拠地がシチリアやタラント湾のみならず、クレタ島とペロポネソス半島、エーゲ海にも存在しているからで、最適な位置に潜水艦を停泊させることが可能となっています。
そこでこのギリシャを占領することができれば、敵海軍根拠地をイタリア本土に限定でき、オーハン本土・サルディーニャ・マルタ・ギリシャの四方から包囲する状況を形成できます。そうなれば、イタリア艦隊は潜水艦も含め作戦行動が難しくなり、オーハンの勝利となるでしょう。
ギリシャ上陸作戦に向け艦隊を編成します。
艦隊編成
第1艦隊 | 戦艦5隻、重巡3隻、駆逐艦15隻 |
---|---|
第2艦隊 | 巡戦2隻、軽巡1隻、駆逐艦8隻 |
第3艦隊 | 空母3隻、軽空母3隻、駆逐艦11隻 |
第4艦隊 | 旧式戦艦1隻、護衛空母2隻、駆逐艦6隻、コルベット20隻 |
第5艦隊 | 装甲巡3隻、防護巡4隻、潜水艦38隻 |
今回インド洋に敵勢力が出現することは想定しておらず、第6艦隊は編成していませんので5艦隊です。しかし、オーハンは先の大戦で生じた損失艦の補充が追いついておらず、特に駆逐艦の数が不足しています。
また、平時の予算不足により装備の更新が遅れており、超ド級戦艦も老朽化が進んでいます。
また、戦闘配備にも遅れが生じており、まともな態勢となるのは開戦後半年の見込みです。
本格的な攻勢はそれからでしょう。
Punta Prima海戦
1936年6月4日、イタリア艦隊が沿岸襲撃を企図したため、先に稼働状態になった戦艦部隊が護衛部隊を付けず出撃しました。
駆逐艦は近づかなければ敵に有効打を与えられないが、戦艦であれば遠距離からでも敵艦を撃破することができます。今回は近づかずに敵を追い払うこととします。
10時前に接敵し砲撃を開始。
敵は戦艦4隻全てを作戦に投入してきています。が、こちらが戦艦7隻であることを確認すると逃走を開始。
暫く追撃していると一隻が艦隊から落伍しましたので、そのまま撃沈しました。
結果、イタリア艦隊はオーハン戦艦を1隻も沈めることのないまま撤退。オーハンの勝利となりました。
しかし、8月のUnie Island海戦では敵に目標を達成されてしまいました。アドリア海で機動部隊同士の海戦となりましたが、狭すぎて対応に苦労しました。
また、10月23日の第二次Kap Promontore海戦ではオーハン海軍が輸送船団を守り抜くも両者痛み分け。苦しい戦いが続きます。
しかし、オーハンの態勢は着実に整いつつありました。
孤立無援のイタリア
1936年10月、ドイツが同盟にもとづきイタリアへ宣戦を布告。
オーハンもギリシャ上陸作戦を開始しました。
各国関係図を見ると、イタリアはアメリカ・日本・スペインとも緊張状態にある一方で、オーハンに宣戦布告をしそうな国家はありません。
長引けば長引くほどイタリアが不利になる情勢なので、焦らずゆっくり対処していきます。
ティレニア海海戦
1936年12月16日12時半、オーハン第2艦隊巡戦2隻・駆逐艦4隻がイタリア艦隊と遭遇。
観測によるとイタリア艦隊はオーハンと同規模。
しかし、敵戦艦は同格ではありません。2隻とも15インチ砲を装備し装甲厚もLissa級よりある格上戦艦です。退却したいところですが、今守勢に回ると敵に隙を見せ撃破される恐れがあります。
それを察してから駆逐艦が魚雷を斉射しました。これは、直撃コースです!
敵戦艦・駆逐艦に魚雷が命中しました。
魚雷が命中した敵艦の速度が明らかに落ちたので、健在な敵戦艦に対して2対1で砲撃を敢行。1万ヤード未満であれば14インチ砲も貫徹できるので、あとは砲門数で雌雄が決まります。
こちらも損傷しましたが先に敵艦が炎上、停船しましたので撤収します。
海戦の結果、オーハンはイタリア戦艦2隻の撃沈に成功。第2戦隊で敵主力を破壊しました。
Lissa級は史実金剛型をベースに設計していますが、機動力と攻撃力を兼ね備えていて使い勝手が良いですね。どのセーブでも必ず建造してしまう神戦艦です。
引きこもるイタリア海軍
ティレニア海戦後の艦艇一覧を確認すると、イタリア戦艦は1隻にまで減少。空母も新たに竣工していないようです。しかし、重巡洋艦を大量建造しています。戦艦よりも建造期間を短縮できますし、魚雷を装備していれば夜戦において重宝しますが、器用貧乏でもあるので、私はあまり建造しません。
イタリアの重巡ドクトリンは吉と出るか凶と出るか。
1937年5月、オーハンがギリシャを占領しました。この戦争の目標を達成したので、あとは終戦にもっていくだけです。
イタリア海軍はというと、重巡洋艦が通商破壊を行っています。なるほど、潜水艦の数といい重巡による通商破壊といい、イタリア海軍は海上輸送網の破壊に注力しているようです。
Cape Caccia海戦
1938年5月30日午前3時
巡戦部隊が突如攻撃を受けましたが、敵影は見えません。
気づかぬ間にイタリア駆逐艦に肉薄され魚雷を叩きこまれました。短時間に2発被雷したSlavonienはすぐさま沈没。Lissaも1本被雷し戦域から離脱。
その後護衛のアメリカ艦艇が逆襲したものの、オーハンは貴重な巡戦を1隻失い敗北。この戦争最初で最後の戦艦の喪失となりました。
そして1938年7月。
イタリアは降伏し第3次墺伊戦争は幕を閉じました。
勝ちはしましたが、序盤の準備不足と終戦直前の戦艦の喪失など不手際の目立つ戦争でした。この戦訓が次回活かされればよいのですが。。。